次の日の朝。


私は夢を見ることなく目覚めた。


だが…目を開いた瞬間に写ったのは羽月の寝顔でビックリしてしまった。


「わあっ!」


「ん?起きたのか?おはよ!」


「おはよ…ってそれより何で羽月が私のベッドに寝てる訳?」


確かに私は昨日に一人でベッドに寝ていた筈だ。
慌てて布団の中を除くと服を着ている事にホッとした。


「心配しなくても何もしてねぇよ!
まぁ…反応は少ししてしまったけどな。」


クスクス笑いながら言う羽月のお腹にグーパンチをした。


「痛って…寝起きでパンチは酷くね?」


「勝手にベッドに寝た羽月が悪いわ!」


「昨夜は怖がってたから心配だったんだよ。
また怖い夢をみてしまうんじゃないかって。」


そう言われたら強く言い返せなかった。


「もう大丈夫だし夢は見なかったよ!
それより起きて朝食食べよう!昨日は夕食を早目に食べたからお腹空いちゃった。」


そう言って起き上がろうとした私の腕を羽月は引っ張り後ろから私をギュッと抱き締めてきた。


「まだいいだろ?こんな風に一緒に寝れるとか付き合ってくれない限りは無理なんだしもう少しだけ優子の温もりを感じさせてくれよ…」


あ、朝からそんな事言われても、ドキドキと心臓が音を立てるだけなんだけど。


「だ、ダメったらダメ!」


「ケチ優子!」


そう言った羽月は私の脇腹をこちょこちょとくすぐった。


「あははっ、ちょっと。や、やめて羽月っ!」


何で私ばっかり…私も羽月の脇腹をくすぐった。


「あははっ、参った参った!起きます!」


「よろしい!」


私達は二人で顔を見合うとまた笑った。


朝からこんな風に笑い合えるなんて月曜日には考えられなかったと思う。


だけど私が求めていたのは今くらいの距離感が居心地がいいし、やっぱり羽月とはずっとこの関係を保ちたいと思ってしまう。


だけどそれじゃ昔と何も変わらないし日菜子や菜々子の言うように羽月をちゃんと見て自分に答を出さなくちゃいけないと思った。


羽月の気持を知ったからには中途半端な事はしちゃいけないし、白崎先輩を彼氏と偽った事で羽月を怒らせて初めて羽月に対して酷いことをしてしまったと思った。


私達は起きて顔を洗い歯磨きをして、私がフレンチトーストを作ってる間に羽月はコーヒーを淹れてくれて、フレンチトーストが出来あがると一緒に食べた。