次の日。羽月は私とは目を合わせようともせず会社に行き、夕食も作らなくていいと言われ避けられた。少し胸は痛かったが昔の関係に戻れるなら嘘をつくしかないと思った。
そしてその日、白崎先輩の秘密をバラさない代わりに私の彼氏の振りを頼む事にして、岡山の工場から戻ってきた私達は居酒屋でお酒を飲み、不安になりながらも羽月に白崎先輩を彼氏だと紹介する為に一緒にマンションに帰った木曜日。


白崎先輩は羽月を気に入り私の事を忘れて羽月に熱い視線を送り、お腹の筋肉までも触り出す羽目に…。
このままじゃバレる！ヤバイ！と思った私だったが、羽月は白崎先輩の熱視線で男性が好きだと分かり、彼氏役を引受けてもらったが失敗に終わり、逆にその事で羽月に怒鳴られてしまった。


嘘を付いたことで羽月は次の日も怒っていて夕食も作らなくていいと言われた。
その日は仕事でミスをして帰りが遅くなってしまった私は帰りにコンビニに寄り、マンションに帰ろうとしたらチャラチャラした男に声を掛けられてヤバイと思った金曜日。


通りかかった羽月に助けられ、まだ怒っている筈なのに、怖い思いをした私に優しくしてくれた。
キスされた訳でもないのに急に抱き寄せられて羽月にドキドキもしてしまった。


そして土曜日の今日は、鍋を取ってもらった時は流石にドキドキしてしまったが何もされる事もなく、普通の会話をしている。
避けたり避けられたり色々あったけど、今日は不思議と居心地が良かったりする。


キスや告白で戸惑ったり、優しかった羽月しか知らなくて、肉食でグイグイこられたから避けてしまったけど、こうして普通で居られるのも不思議な感じだ。
この一週間で色々な羽月を見れた気がする。


私はトンカツを挙げ終えて食卓テーブルに料理を運び羽月に声を掛けた。


「ご飯出来たよ！」


「ありがとう！」


そう言った羽月は部屋にパソコンを持って行きテーブルに腰掛けた。