白崎先輩に彼氏役を頼んだが失敗に終わり、挙句の果てには羽月を怒らせてしまった。


目が覚めて用意をする為に顔を洗い、歯磨きを終えて自分の部屋に戻る途中、用意を済ませた羽月が部屋から出てきた。


「お、おはよ…」


「……はよ、今日もご飯用意しなくていいから。」


羽月は私と目を合せる事なくそのままマンションを出て会社に行った。


だけど避けられる方がいいのかもしれない。


私を諦めるかもしれないし、やっぱり私達は幼馴染の関係が一番だ。


過去に元彼と羽月の事で言い合いになった事がある。


高校生の時の事だが同じクラスだった私と羽月は一緒に居る事もよくあった。


周りからは付き合ってるの?何て聞かれたりしたが幼馴染と答えると皆は納得していた。


だが元彼は納得はせずに羽月に嫉妬して、二人で喋ったりする所を見たく無いと言った。


討論になったが、もし逆の立場で考えたら私も嫌だと思い、それからは朝も帰りも元彼と一緒、休み時間は元彼の教室にすぐに行ったりで羽月と話す事が減っていった。


その事は凄く私の中で羽月に申し訳なく思うと同時に、私達はただの幼馴染でそれ以上の恋愛感情は無いし、持ってはいけないんだとそう思った。


だから大人になった今、ルームシェアを承諾したのは幼馴染でそれ以上の感情がなかったからだ。


だけど幼馴染の壁を超えてきた羽月に私は戸惑いを感じ、昔に元彼に言われた言葉を思い出すと私達に恋愛感情はあってはいけないんだとも思ってしまう。


もし戻れるならルームシェアする前に戻りたい。