暫く二人で飲んで食べて、帰りに白崎先輩がバイトの大学生の男の子に番号を聞こうとしてたからそれは阻止した。


"なんだよもう"なんて拗ねたが今はそのモードはやめて欲しい。


本当に大丈夫かな?なんて思いながらも一緒にマンションに向かった。


マンションに着いて家の中に入ると、まだ羽月は帰っていなかった。


「白崎先輩はソファーにでも座って下さい!」


「うん、てか結構広いね!」


部屋を眺めるようにして見ながら白崎先輩はソファーに座った。


私は部屋着に着替えて白崎先輩の座るソファーの隣に座った。


「いいですか、もう少ししたら多分、羽月は帰ってきます。くれぐれも白崎先輩は本性を出さないようにして下さいね?
それから玄関の扉が開く音がしたら私と手を繋いで下さい。」


「任せろよ優子!」


そう言って笑いながら私の肩を抱いた。


「今はしなくていいですから!」


「それよりも羽月くんがどんな人なのか早く会いたいな!」


「……」


二人でソファーで待つ事十分。


羽月が仕事から帰って来た。


私と白崎先輩は手を繋いで、私は上手く演技出来るかドキドキしていたが、白崎先輩はそんな事より羽月の顔が早く見たくてドキドキしているに違いない。


リビングの扉が開けられて私達は羽月の方を見た。


「お帰り羽月!」

「お邪魔してます!」


私達は羽月にそう言うと、羽月は私達を見て一瞬、固まっていた。



「ただいま…」


そう答えるのに十秒程、羽月はかかった。