夜まで待てない





「ほぉー暫く会ってない間にそんな事があったんだ?でもさ、優子って本当に鈍いよね?」


「はっ?」


鈍いって?


「羽月がずっと優子が好きだっての私は知ってたよ?だって羽月はいつも優子を目で追ってたけど優子は全然、気づいてなかったもんね。
いつ気づくんだろって思ってたけど気づかないんだもん。それに優子は好きな先輩が居て、その先輩の事しか見てなかったしね。その先輩と付き合う事になった時に優子を応援してたけど羽月を見ると切なそうでこっちまで切なくなったくらいだもん。」


菜々子は気付いていたんだ。


「優子は羽月を幼馴染で友達としてしか思ってないから羽月も気持を言えなかったんでしょ。だけど大人になって、やっぱり優子を忘れられなくて、たまたま引っ越しの話を聞いて羽月もチャンスだと思って一緒にルームシェアしようって言ったんじゃない?私は羽月と優子はお似合いだと思うけどな?」


菜々子も日菜子と同じ事を言った。


お似合いだからとかいい人だと言われても、急には好きにはなれない。


突然、キスしたりお風呂まで入ってきて好きになんて絶対になれないし…。


「でも羽月はやっぱり幼馴染で友達だから…」


「今はそうでも一緒に住んでるんだし好きになるかもしれないじゃない?それに羽月もキスしてきたり、お風呂はちょっとやり過ぎたかもしれないけどそれ以上をしてこないのは優子を本当に好きだからじゃないの?優子は羽月を男として見てみると羽月に対する見方が変わるんじゃない?それに羽月だって男として見て欲しいからキスするんだよ!」


男としてか…


確かにドキッとはしたけど好きとかそんな事ではない。


突然でビックリしただけ。


結局は菜々子にも頑張りなさいと言われ、菜々子の家を後にした。