「清宮さんは、妖の存在を、信じるかい?」




水原先生の言葉に、私は息を詰まらせた。
どういう意味なのか、必死で頭の中で考える。

どういう返答が正解なのか。
なんて答えを求められているのか。



それがただの世間話のように思えないのは、いつもはこんな事話しかけてくるような先生じゃないから。
これがもし、例えばはせちゃんだったとしたら、きっと私はこんな悩むことはなかったと思う。



多分、普通に、「なに言ってんの、はせちゃん!」って笑って返せてた。





「あ、あの・・・」




沈黙の時間が居たたまれなくて、苦し紛れに声を出す。
この場から逃げ去りたい。

でも、それだと不自然だ。