「バイト先で、
ふたつ上の大学生がいるんだけどね、
そのひとに告白されたんだぁ。
たぶんあたしも、
そのひとのことが好きなんだと思う」
1年の終わりぐらいのときに、
花恋はファミレスでアルバイトをはじめた。
俺も何回か、そのお店に
花恋のようすを見に行ったことがある。
「なにそれ……。
俺とつきあってんじゃん……」
彼氏がいんのに、ほかの男好きとか……
「……斗真もでしょ」
「え?」
「……なんでもない。
とにかく、わかれてほしいの」
目の前にいる花恋はまっすぐに俺を見ていて、
俺がなにを言っても
もう、わかれることをきめていることが
つたわってくる。