───ギィーッ……
さびついた扉を、重たそうにあける花恋。
ついたのは、学校でいちばん空に近い屋上。
今日は、雲ひとつない真っ青な空。
「こんなとこまできて、どうかした?」
俺に背をむけて立つ花恋にそうきくと、
クルッと俺のほうをむいた。
「せっかくのお昼休みなのに、ごめんね」
「いや、そんなことは全然いいけど、
はなしあるんだろ?」
「……うん。あのさ、」
そう言って花恋は、ニコッと笑う。
「あたしたち、わかれよ?」
……は?
思ってもみなかったそのことばに、
俺はことばを失う。
そんな俺に、花恋ははなしつづけた。
「好きなひとできちゃった」