…ん?
そして再び顔を上げて、
………また逸らした
んん?
不審に思いながらも次の言葉を待っていると
「莉音。莉音は、莉愛様だろ?」
諦めたのか、目を逸らしたまま聞いてきた
「『早乙女莉愛』に戻らない?」
っ諦めてなかったんだ
答えは、きまってるでしょ?
「私は…莉愛にはなりません」
だって私は莉音。
千里さんの婚約者の、相川莉音なんだから
そう、心の中で呟いた
やっと手に入れた幸せなの
手放したくなんてないよ
「その幸せを、手放さなくてもいいなら、戻ってくれるのか?」
無意識にうつむいていた顔を勢いよく上げた



