せめて、と耐えるために入れていた力を抜いた


それに驚いたのか、捕縛の腕が緩み、予想通り私は崩折れた


ドサッ


「どうした?ああ、もうおしまいか」


「おい。アレ持ってないか?」


「あー…持ってないな」


「仕方ない。力技でやるか」


一人が私の後ろに付き、なにやら準備を始めた時


「待って。それなら私持ってるよ」


私の、よく知ってる声が聞こえた


「お嬢。見てたんですか、意地の悪い」


「そんなの知らない。はい」


彼女が何かを男に渡すと、私にそれを吹きかけた


そして、次第に意識が遠のいていった


ねぇ、嘘だよね…。
信じたくないよ…ーー。