「お…ん…莉音さん…大丈夫かい?」 「あ……はい。ごめんなさい」 いけない。自分の世界に入り込んでた… 「いや、謝らなくていい」 社長さんは穏やかに微笑んで見ていた 「さて、一ついいかな?」 「はい」 しゃんと背筋に伸ばす 「そんなに緊張しなくても。 …莉音さん、祥太から話は聞いてる。 君を…莉愛として、見てもいいかな?」 あぁ…… この人たちは、全部知ってたんだ… その上で、私の意見を汲むために 『莉音』と呼んでくれていたんだ… でも、私の答えはずっと前から決まってる