『大切な子だから』


千里さんの言葉は、とても甘くて、頼ってしまいたくなる


けど今は、それに浸りきっていてはいけないと思うから…


千里さんには、私の部屋で待っていて欲しいと言った


あの言葉に甘えることはできないけど……

待っていてくれる人がいるなら頑張れるような気がするから




ーコンコン

「…なんだ」


「お父様…莉音です。
今、よろしいでしょうか?」


「フン、珍しいな。お前が自ら来るとは…

まぁいい、入れ」


やっぱり中ですか…。そりゃそうですよね。はぁ…


「…失礼します」


お父様への恐怖なんて、今は忘れてしまおう

そうすればきっと、普通に話せるから