祥太が出ていって数分 とても長く感じる 莉音はまだ俯いて、黙り込んでるし… 「なあ莉音。俺は、正直祥太の意見に賛成なんだけど…」 「さっきのことだけじゃない。莉音、あの家嫌いだろ? …ずっと思ってたんだ。莉音は、この家に来た方が幸せになれるよ」 莉音はゆっくりと顔をあげた 「じゃあ千里さんは私と離れてもいいってことですか?」 あまりに哀しげな表情 俺は立ち上がり、莉音を正面から抱きしめた 「莉音、そんなこと思ってない。 離れたくないよ」 「だから俺は、莉音との婚約を解消する」