一つ息を吐いて、断言したお嬢様
それを見て、少し寂しくなりながら次の言葉を紡ぐ
「そうですか…。では、その“幸せ”を手放さずに済む方法があると言えば、考えてくださいますか?」
「それって…図書館の時の話?」
「…はい、まあ」
あの時は、つい口から出てしまったのだけど…
「その話が本当なら…考えれるかも知れない。聞かせて」
「はい」
「なぁ、それは俺も関係ある話ってことでいいんだよな?」
それまで蚊帳の外で黙って聞いてた千里が口を開いた
「うん。大いに関係あるよ」
だから“二人を”連れてきたんだから
「だから、聞いて欲しい」



