今じゃ絶対聞くことのない、その言葉はなぜか印象に残っていた。

無事に渡せたという安心感が頭を駆けめぐる。

少し嬉しそうに受け取る奏人の顔が、残像となって、脳裏に焼き付く。

そんな余韻にひたっていると、はやくも駅に降りたらしい奏人から個チャが来た。

内容は、うまかったー、ありがとーみたいな感じだった。

とりあえずその場でもう笑うわ飛び跳ねるわで大変。

奏人から進んで個チャをしてきたのは初めてで、すごく嬉しかった。

ましてや、面倒くさがりの奏人がこうやってお礼を言ってくるのはもうないかも知れない。