すると才賀は、いつもの顔ではまるでなかった。 強気な眉は垂れ下がり、意気揚々としている髪はシュンと垂れて、顔に寂しそうにかかっている。 口も、ひねくれた形に上がっていなくて、彼に似合わない言葉を吐いた。 その言葉は―― 「お前が無事で、本当に良かった」 「──」 その時、私はまるで夢見心地になってしまった。