ハンバーグは案外簡単なので、数十分も経てば成形にとりかかれる。 ハンバーグのタネを両手でパンパンと叩きながら、形を整えていく。この時ばかりは東条も「素手でやりたい」といってゴム手袋をつけなかった。 「……」 「(集中してんな)」 今まで「ぎゃあ」とか「わあ」しか言わなかった東条にやっと余裕が生まれたのか、「ねえ」といつもより低いトーンで話し始めた。 「私、最低の人間だったよ」 「……」 切り口からして、斬新。 こいつは一体、何を考えながら家に帰ったんだ。