「それで理亜は俺に何をくれんの?」














歓迎会が終わり、自室でくつろいでいると





ノラが人型に戻り、私の顔を覗き込みながらそういった。





心なしかワクワクしているように見え、





なんとも居心地が悪い。








私はのらの首元をじっと見て、






「・・・・・やっただろ、それ」





ノラも私の視線の先にあるものがわかったのか、




顔を真っ赤にして、




「犬扱いすんじゃねえよ。」







と一言いった。






「・・・・・別に今もしているだろ。」





「そういう問題じゃねえ。つーかこれは俺が望んでしてるんじゃねえ!!」





当たり前だ。




望んでしていたら





さすがの私も





引く?





カモね。





それに





確かにその首輪は南京錠がついていて輪の部分も




かなり丈夫にできている。





だからこれをつけてやった時以降も外そうとしていたが








どうやら無理だったらしい。




始めは外せとノラが襲い掛かってきたが






私は




無理。





と一言いって無視を決め込んだ。





が、





ついにのらは












部屋を暴れ始めたので






めんどくさい










と思い









ノラ、





そう呼ぶと









私はのこぎりを手に取る。




は?





とわけのわからない顔をして






次の瞬間















ギャン





バッと








避けた








「おま、今何を切ろうとした?」











「首」









「待て待て待て」








「鍵外せばいいことだろ!!」








「・・・・なくした。」











「じゃあ、首輪の方斬れよ!!!!」







「無理。それ丈夫だから・・・・・






それにお前の首の方が柔らかくて











切りやすそうだし」








そう言って笑うと









ノラは真っ青な顔をして





のこぎりを手ににじり寄る私に






後ずさり冷や汗を流しながら






「わかったわかった切らなくていい!!!!!




切ろうとするなってって!!!」







そんなことがあってからノラは首輪を取ろうとしなくなった。





そんなことを考えていると









なんだかしかめっ面をしたのらと目があったので







手頃な頭を






よしよしと撫でた。








すると少し不機嫌そうにノラは





「お前の家族、俺を犬扱いして」








「・・・・犬だろ。」




「犬じゃねえ!!」





私は変わらずいつものセリフをいつもの言葉で返した。