「・・・やっと目覚めたようだな・・・」







「ったく朝っぱらから何なんだよ!!」




みかんに引っ掻かれたところを抑えながら


涙目で叫ぶ。



ノラの鼻の頭には三本線がくっきり残っている。





またケガが増えてしまったな。



そんなことを思いつつ、



そこを消毒してやりながら、




「悪いな。お前が起きないもので




みかんに協力してもらった。



人間の姿をしたお前に驚くと思ったんだがな。




こいつはお前だとわかったようだったな。」












にゃー



みかんは前足を舐めている。






お前は本当に賢いな、




と思いながら





ポンポンとみかんの頭を軽くたたくと




みかんは私の手に擦り寄る。








あれ、こいつこんなに甘えてたっけ。








その様子を不機嫌そうに見つめながらノラは吠える。








「そいつは初めてあった時に俺の人間の姿みてんだよ!!」




「そうだったのか」



みかんを見るとその言葉を肯定するように鳴いた。



再びみかんをなでてやると






まゆをピクリとあげ



さらに不機嫌そうに







「大体、ほかに起こし方があっただろうが!!」





「・・・・・思いつかなかった」





そう適当に言ってみるが、


「ぜってー嘘だろ!!」





間髪いれずに言ってきた。




その言葉にさらに思いついたことを言ってみると





「・・・私は朝方は弱いからな・・・・」






するとまゆを寄せ怪しむように私を見る。






・・・・流石に見破られたか








「大体こんな朝早くになんだよ。」



だがこれ以上は追求せずに



ノラは窓を指差す。




外はまだ夜が明けていない。





あたりは真っ暗だ。



ちなみに時計は今5:10をさしたところである。







「さんぽだ。」




「さんぽだぁぁぁぁー?」








ノラの素っ頓狂な声が部屋に響いた。