もしかしたら犬猫の相性は悪いのかもしれない。
普段は聞き分けのいいみかんがこんな調子なのだ。
埒があかないと思い、私はノラを引き寄せる。
すると意外にもおとなしく私の腕に収まったのでそのまま紹介をはじめることにした。
「・・・・・名前はノラ。
朝までは雪にうもりかけていて死にそうだったが
今はこのとおり
元気になった。」
「・・・ノラってちょっとおねーちゃん!!
みかん拾った時も
そんな名前をつけようとしたよね!!」
「・・・・・ああそうだったな。」
確かそのあと、私が
みかんは?
と聞いたんだったな・・・・。
「でもあのあとおねーちゃん、付け直してくれたんだよね。」
そんなこともあったな・・・・・・・・
「おねいちゃんが私がフルーツのみかん好きなことをおぼえてくれていて
嬉しかったなー。」
ギュッとみかんを抱きしめ頬ずりしている。
そうだったか・・・?
私の記憶が正しければ・・・・・・
花蓮がいった意味で『みかん』と付けたわけじゃない。
あの時は確か・・・・・・・
「のらなんてそんなかわいそうな名前やだ!!」
駄々をこねる可憐を見て
野良猫ののらがダメなのか?
じゃあ、と思い
さっきまで猫が入っていた
『拾ってください』とちらり書かれた箱に目を向けた。
そうだ、あの名前にしよう。
そして、花蓮にみかん、はどうだ?
と聞いたのだ。
だからみかんは花蓮の好物だからではなくて
あの時はみかん箱に入っていたから『みかん』だといったのだ。
そんなことを思い出しながら花蓮に目を向けると
「あの時のおねーちゃん、いつもより気の利いた名前、つけてくれたよねー。」
首をかしげるようにして機嫌よさげに話す花蓮をみて『違う』と否定する言葉を飲み込む。
言わなくてもいい言葉はある。
「まあな。」
代わりに肯定とも言える言葉をいった。
真相は私の胸一つに収めておこうと思った。

