「お前変な奴だよな。



俺、こんな変な体質だっつーのに・・・


何も聞かねぇし


どうかしよーともしねぇなんて」








それはのらの本音だろう




脱力したようにいう




こいつずっと私に気を張っていたのか



私に何かされるんじゃないかと・・・・・・・。



そうした恐怖の中、ずっと孤独だったのだな。








「・・・少なからずお前にも事情があることは予想していた。



だが、無理に聞く必要性を感じなかった。ただそれだけのことだ」




そう言って


この部屋から出ようとする。





「、まて、どこに行くつもりだ?」




「・・・・どこもいかない。お前が散らかしたものを片付けないといけないからな。」






「まだ全部の質問に答えてねえだろ。」



そういえば言っていたな。


何故、部屋を荒らしたり、襲いかかったとき冷静っだったのか。



そんなに気になるものなのか?



そんな私に対しノラの目は真剣だ。



ふうー



と息を吐き出して






「・・・・・駄犬のいたずらくらいで怒るような狭い心は持ち合わせていないからな。










それと最初に襲い掛かってきたとき、明らかに私に煽られてやけを起こしたのは目に見えてい


たし、


2度目は単なるいたずらの延長だろう」





「犬扱いすんな。しかも駄犬ってなんだよだけんって。




 俺は駄犬じゃねえぇ!!」





「だって駄犬だろう。留守番すらろくにできない犬は。」




「~~~黙れ!!」



さっきのことを思い出したのだろう真っ赤になって悶えている。



まあ、あの醜態を見られたのだから無理もない。




もういいかと思い私はさっさと部屋を出ようとする。












「・・っ、そういえば最初俺を見たとき驚いてなかったよな。」






思い出したようにノラは言う。




次から次へよく質問が出てくるものだ。







「・・・・・ああそうだったな、お前を見つけたときは獣型だったからな。


お前が気を失ってる時、人間の姿に戻った。



その時は流石に驚いたがな・・・・」




「え、お前が驚くって!?ええ!!っーーいった」



のらは相当驚いたらしくその勢いのまま勢いよく立ち上がろうとしたが、足がしびれたらし


い。



そのまましゃがみこんで悶えている。




何をそんなに驚いているのか。



「・・・・・私とて人間だ。感情くらいある。」








「、っ、うそだ。てめえさっきから表情変わってねえんだよ。」


足のしびれに悶えながらも、必死で私に訴えるその姿はのらには悪いが非常に滑稽だ。














ふっ








「待て、今、俺見て鼻で笑ったろ。」











「・・・さあな。片付けてくるからそのままいい子でおとなしくしているように。」













「誰がいい子だ!!!!」



その言葉に少し口端を上げながら部屋の扉をバタリと閉めた。