「小乃美(このみ)。夏休みさ、西谷(にしや)先輩達誘って海にでも行かない？」


「え？む、無理だよ。あれからほとんど会話らしい会話してないし。」


「じゃあ私が誘ってこよ～♪」



今日は終業式。明日から夏休みだ。



大翔(やまと)と一緒に帰ろうとしてると、



「先輩！」



堂々と俺達の教室に入って来たのは、亜璃(あり)ちゃんだ。



「あれ、珍しいね亜璃ちゃん。どうしたの？」


「先輩達。夏休み、一緒に海行きませんか？」


「えっ海…」


「行くに決まってんじゃん！」


「じゃあ決まりってことで。」


「おい、ちょっと待て！なんで大翔が決めてんだよ。」


「いやだってさっきアリちゃん、先輩達(・)って言ってたじゃん。俊(しゅん)だけに言ったわけじゃないだろ？」


「もちろんです！では、早速打合せしましょう。校門で待ってます。」


「らじゃあ！」


「西谷先輩、逃げないで下さいよ。」



あれ、亜璃ちゃんってこんなタイプだったか？