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午前中の授業がすべて終わり、
昼の購買へと急ぐ人や、
他のクラスで弁当を食べる人が
ぞろぞろ教室から出て行く。

あたしもその中に混ざった。



燐「藍。どこに行く?」

藍「......何処でもいいだろ。」

燐「教えろ。」

藍「.........サボる。」



燐に引き止められたあたしは
適当に『サボる』と言い、
振り返らず教室を出た。

燐は何も言わなかった。



あたしはひとり、
誰にも見つからないように
学校の塀を飛び越える。

これくらい、余裕だ。


そこから家に戻り、適当に着替えてバイクに乗って出発した。

余計なものは持たない。


あるのは、
あたしの中でもう揺らぐことない決意。

そして、昔の思い出だ。



藍「絶対あいつらに迷惑はかけねぇ。」


あたしはバイクをとばした。


幸い、あの倉庫までそう遠くない。
夕方には着くだろう。