藍「ごめん、黄跡。
  紅にはもう言ったんだ。」



紅は言いづらそうだったから、
あたしがかわりに答えた。


黄跡はむっすー、とした顔つきになる。



あたしは、裏切られるの怖いから
言えなかったってだけ。

別に信用してなかった訳ではない。


藍「ごめんな、黄跡。」


黄「べ、別にいいんだよっ!?
  何を誰に伝えるかは
  藍の自由だからね。」


藍「ありがとう。」



泣きそうになる。

もう、
人の前では泣かない、って決めたのに…。

弱音を吐かない、って。


なのに、どうしてかな。
涙を止められない。


こんなこと、“藍華族”に居た時以来。


紅「泣きたいときは泣け。
  自分の本当の姿を隠すなよ。
  本当の藍が表に出たがってるぜ?」