「んまぁあいつが傷ついたところでだから何?って感じなんだけど。
まぁお前も賀菜も俺からすればただの他人。苦しもうが死のうが俺の知ったことじゃねーよ。」
雄介…君?
「せっかく俺が話してやってんのにぼーっとしてさ。暗いしおもしろくない。」
………。
雄介君のことは…信じてたのに。
ショックで足がふらつく。
もう……聞きたくない。
教室をゆっくり離れた。
「あいつだって……好きで暗くしてるわけじゃねーよ!」
突然教室から叫び声が聞こえた。
「過去に……過去にとんでもねーもん抱えてんだよ!大切な奴目の前で死んだっていうな!
そんなことも知らねークセにあいつの悪口言ってんじゃねーよ!」
なか……ばやし。
また足が止まった。
自分だって何にも知らないクセに……。
中林が言ってることなのに……嬉しかった。私のためにそう言ってくれるなんて。
もしかしたら……もやもやの原因はこれだったのかな?
少しだけ……少しだけ中林のこと───
雄介君は言ってるのことが友哉と同じでただ友哉を思い出してただけなんだ。
私が何を言って嫌がっても話しかけてくれて……守ってくれて。
そんな奴のことを少しだけ───
だから喧嘩したときもやもやしてたんだ。
「なんだよ…お前。あいつに嫌われてるクセに……どうしてそんな奴命がけで守れるんだよ。どーせいつもの遊びなのにさ。」
「悪りいな。俺、あいつのこと本気で好きになっちゃったらしい。だから何がなんでも守ってやるよ。あいつは。」


