「賀菜ー!一緒に帰ろっ。」
そして放課後。
早希と一緒に階段を下りた。
でも……。
『放課後教えてやるよ。』
中林と雄介君のことが気になる。
もしかして中林…雄介君に変なこと言ったりしてるんじゃないよね?
「ごめん。早希。先に帰っててくれない?」
「いいけど…どうしたの?」
「用事…思い出しちゃった。」
「…わかった。」
早希は何も聞かずにわかってくれた。
きっと普通だったら嫌われてるね。
「ごめん。」
そう言って階段を駆け上がる。
教室の前に来たとき、中から声が聞こえた。
「昨日何があったの?」
雄介君の声。
今…話し始めたところみたい。
「お前がいない間に…賀菜の知り合いが…あいつを刺そうとしてた。」
「え…賀菜にそんなことが…?僕…ジュース買いに行ってて…知らなかった。
ごめん。ありがとな。今からなら間に合うかも。賀菜に謝らなきゃ。」
雄介君。
そんなの雄介君のせいじゃない。
ドアを開けて言おうとした。
すごく焦ってた声だったから。
もう……中林。
それじゃ雄介君が悪いみたいじゃない!
私はドアに手をかけた。
「下手な芝居しやがって。」
え…。
中林?
「なんのことだよ!僕は……本気で…。」
「うるせー。知ってたクセに。」
私はドアから手を離しら入るのをやめ2人の会話を聞いた。
どういう……こと?
中林?
何言ってるの?
「とぼけんなよ。俺はちゃんと見てたんだからな。
昨日…ナイフが出てきたときからずっと影て賀菜のこと見てただろ?何もしねーでニヤニヤしながら見て。
偶然俺がいたからよかったもののもし俺がいなかったら……あいつは…殺されかけてたかもしれねーんだぞ?」
雄介君が……そんなことする訳ないじゃない。
そんなの…ウソだよ。
「腕…大丈夫なのかよ。」
「ああ。あれくらい。」
腕?
もしかして中林…美優に?
そのこと私も知らないのに…どうして雄介君が知ってるの?


