私がアイツに恋する時。




「お…おはよー。」

次の日は偶然雄介君にあわなかった。

もしかしたら……怒ってるかも。


はぁ…。



すっごく暗い気持ちで教室のドアを開けた。


「おはよー。昨日はどうしたの?急に居なくなったりして……びっくりしたよ。次からはちゃんと連絡くらいしてくれよ?」



雄介君……。

よかった。怒ってない。



「実はね……「失礼しまーす。」」


ん?


「水谷ー。あ…いた。ハイこれ。」


ほぼ無表情で棒読みしながら現れた中林。

なぜこのタイミングなんだ?


私の前に差し出された手。

そこには私のケータイが。



「見つけて……くれたの?」

「おう。」



腰に手を当て少し自慢げに返事する中林。



「ちょっと待って?賀菜は…中林と仲直りしたの?」

「べ…別にそういうわけじゃない。」


昨日は助けてくれただけで別に仲直りなんて……。

ってかどうしてあいつと仲直りする必要が?



「昨日どうしてこいつがいなくなったか。知りたかったら放課後教えてやるよ。こいつに話しかけんな。」


へ?

どうして中林が?


「わかった。んじゃ放課後な。」



なんだかお互いがピリピリしてるのがわかる。

話はそれで終わってしまってその場はそれ以上何も起こらなかった。



これもあの

『雄介とは……あんまり関わんな。』

このことが関係してるの?



それから雄介君とは何も話さなかった。

それに雄介君も…話しかけてくれなかった。