「そろそろ……戻らないと。」 自分から話を切り出す。 「まだ…さっきの奴いるかもしれねーのに?」 それはそうなんだけど……。 雄介君が……。 「ほら……雄介君だって待ってると思うし。」 「あの場面を見た俺としてはそんなヤバいとこには戻せない。」 「だから雄介君がいるってば。」 「んじゃ連絡しとけ。今日は帰るって。」 「……分かった。」 今は中林の言うことを聞いた方がいいような気がして………。 ポケットの中のケータイを取り出そうとする。