「じゃあね。」
「おぅ。」
ピンポーン。
私は秋穂の家のチャイムを鳴らした。
「なぁ…賀菜。」
「ん?」
中林の家は秋穂の家の隣。
家に入ろうとする中林に呼ばれそっちの方を見た。
「もっと……笑ってろよ。」
え────
「そ…それって…「おー!来た来た!どーぞ。中に。」」
タイミング悪く、秋穂が出てくる。
中林はそのまま家の中に入ってしまった。
いつ……私のこと?
最近はずっと嶋田さんのことしか見てなかったはずなのに。
今日の電車のときもみたいに……私のこと…見てたの?
目をそらしながらも…嶋田さんと一緒のときも……私を?
心配してくれてたの?


