大切な人の約束

「はいっ、はい。わ、すれるなんて……できない、です、から。」

「うん、ごめんな? ありがとう。」

そう言った荻原君の目もほんのり赤かった。

そうだよ、悲しいのは私だけなんかじゃないんだもん。

「それじゃあ、お互いがんばろうね!」

「はい!わざわざありがとうございました。」

「じゃあね、ってクラス一緒だけどね(笑) あっ、
これ! 隆夜の病室のゴミ箱でみつけたんだけど、
多分、渡したら天国で会ったときに怒られそうだけど、
欲しい?」

え、なんだろう…。

「欲しいですけど…、いいんですか?」