.
*
.
夏希くんが手伝ってくれたおかげで、玉ねぎもすぐに切り終わった。
あとはこれでカレーを作るだけ。
「ありがとね。助かった」
「…いや、大したことしてねぇから。
そんじゃこれハルたちのとこ持ってくか」
そう言って夏希くんが野菜の入ったザルを抱える。
「うん」
するとそこに大きな声が聞こえた。
「すずちゃーん!これっ!
って、あーっ!夏希お前ここにいたんか!」
誰かと思えばハルくん。
なぜか手にプチトマトのパックを持っている。
「…うるせぇな、お前は。
声でけーよ」
「あーわりぃわりぃ」
「…ハルくん。どうしたの?」
私が問いかけると、彼はそのパックを私に手渡して。
「なんかこれカレーに添えるらしいからヘタとって洗っといてくんねーかな?」
「あ、うん」
すると横から夏希くんが、
「…プチトマト?
普通添えるの福神漬けじゃね?」



