そして玉ねぎを1つ手に取ると、隣のまな板に移動し、それを切りはじめた。
え〜〜っ!
ど…どうしよう…。
なんだかドキドキして、嬉しくて、どうしようもない気持ちになる。
夏希くんはわざわざ私を探しに来てくれたんだ。
そのうえ手伝ってくれるとか、優しすぎるよ…。
どうしてこんな私なんかに、そんな親切にしてくれるんだろう。
「あ…ありがとう。夏希くん」
思わずお礼を言う。
すると彼は、
「べつに…。もうあっちやることねーし。
ヒマなだけだから」
ぶっきらぼうにそう答えたけれど、そんな彼の頬は心なしか少し赤くなってるように見えた。
気のせいかな…?
いや、気のせいだよね…。



