強い力で支えられて、なんとか起き上がる。



ホッとしたのもつかの間、その人にお礼を言おうと顔を見上げた瞬間ドキッとした。



な、夏希くん…。



「おい大丈夫かよ。

お前もフラフラしてんぞ」



「…だ、大丈夫だよ…っ。

私はまだ全然歩けるよ」



だけどそう言ってもほんとかよ、みたいな顔してる夏希くん。



そして掴んでいた腕を離すと、なぜかその手をぽん、と私の頭の上に置いた。



「…ならいいけど。あんま無理すんなよ」



どき…。



その顔はすごく優しくて。


ほんとに心配してくれてるみたいな…



私は思わず顔が熱くなるのを感じながらお礼を言った。



「あ…ありがとうっ。

助かりました…」



するとすぐ横からまつりんが話しかけてきて。



「ちょっとちょっと〜!」