「やだ、あの二人いい感じじゃない?」



隣にいたまつりんがボソッとつぶやく。



「ハルくんってけっこー積極的だよね〜」



「そ…そうだね」



二人を見ながらニヤニヤするまつりんはなんだかやけに楽しそうだったけど、いつの間にか彼女とも普通に話せるようなってすごく嬉しかった。



元テニス部だというまつりんはすごく体力があるみたい。


全然疲れてなさそうに見える。



元文芸部であまりスタミナのない私はもうだいぶヘトヘトだったけれど、彼女の一歩後ろを必死でついていった。



花鈴も頑張ってるんだし、私も頑張らなくちゃ。


みんなに心配かけられないし…。




だけどその途中で…



ーーガッ、



歩いていたらうっかり、足元にあった大きな石に躓いてしまった。



大きくバランスを崩して前に倒れ込みそうになる。



「きゃっ…!」



するとそこでとっさに、誰かが腕を掴んで助けてくれた。



「…っぶね、」