その嫌味ったらしい声はすぐにわかる。



篠田さん……。



私が振り返ると、篠田さんはニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながら腕を組んで、



「もしかして、夏希くん探してんの?」



そう聞いてきた。



あまり答えたくはないけど、うなずく。



「…う、うん…」



すると彼女はさらに顔をニヤつかせて、



「へぇ〜。やっぱりねー。

私、夏希くんのことならついさっき見かけたよ」



「えっ…!」



ウソ、どこにいたんだろう…。



「このみちゃんに腕引っぱられて中庭のほうに向かってた」



「…っ、」



“このみちゃん”


その言葉を聞いて、やっぱりって思う。



やっぱり二人はまだ一緒にいるんだ…。



篠田さんはそんな私の反応を見て笑ってる。



「仲いいよね〜。てかさ、知ってる?

中庭でやってるの、アレ、告白大会なんだよ。

ヤバくない?」



「えっ!?告白!?」