それって、まさか…。
「一瞬はぁ?って思ってキレてやろうかと思ったんだけどさ、このみちゃんの名前出てくるのおかしいよねって思って。
とりあえずムカつくから睨み返してやったらあいつ、なんか『あ、ヤバい!』みたいな顔して逃げたんだよね」
ウソ…。
「これってあれだよね?
私のこと鈴菜と勘違いしたんだよね?」
「……」
そうだ。たぶんそのとおり。
篠田さんは花鈴を見て私だと勘違いして嫌味を言ったんだ。
今日は同じような髪型してたから。
「もしかして鈴菜、あの子に何か言われてるの?」
そう問い詰められて、さすがにもう隠すことができなかった。
「うっ……じ、実は…ちょっとだけ…」
「ウソ。なんで言ってくれなかったの?」
「だって……ごめん…」
花鈴にまで迷惑かけたくなかった。
心配かけたくなかった。
それに言われても仕方ないと思ってた。
「夏希には言ったの?」
そう言われて胸がズキッと痛む。
「ううん…」
「言ったほうがいいよ。なんなのアレ。超陰険じゃん」



