(side夏希)
『ご、ごめんね、私ちょっと、急いでるから…』
鈴菜の様子が明らかにおかしかった。
俺とまともに目を合わせようともしない。
思いきり手を振り払われた。
一体何があったんだ…?
まるで拒絶されたかのような気分で、ショックだった。
確かに最近あいつは元気がなかったし、俺といても苦笑いばかりして、何か変だなとは思ってたけど…。
鈴菜は俺が聞いても何も話そうとはしなかったし、いつも無理に笑顔を浮かべて、ごまかすように言い訳して。
だけどそれを無理に問い詰めるようなこともできなかった。
もとから鈴菜は悩みとか、困ったことがあっても、それをなかなか人に言えないタイプだ。
それに今回は俺も、無駄に忙しい学祭委員の仕事のせいで、なかなか一緒にいられなかったし、そのせいもあるんだろうとは思ってたから。



