いつの間にかすっかり打ち解けた様子の二人。
普段はあまり女子と絡まないナツくんも、彼女にはだいぶ気を許してるみたい。
「だってどうせ、松下が覚えてるだろうと思って」
「ちょっとなにそれ〜。
もうっ、私のこと当てにしすぎだから!ちゃんと覚えてよ〜っ」
「あー悪い悪い」
やる気のない発言をするナツくんを叱咤するかのようにビシビシ叩く松下さん。
その様子はまるで冗談を言い合ってじゃれてるみたいで、見ていてすごく胸の奥がズキっとした。
私はナツくんのこと、あんなふうに笑いながら叩いたりできないなぁって。
松下さんってしっかりしてるんだ。
ナツくんも彼女を頼りにしてるみたいだし…。
私なんて頼りないし、いつもナツくんに色々してもらってばかりで……。
情けないなぁ…。
どんどんまたネガティブになってくる。
するとそこに花鈴がやってきて。
「えーっ、なにあれ、また来てるじゃん。このみちゃん」



