……はずなのに。
「夏希くん!」
私の心はすぐに、マイナス方向へと持って行かれてしまう。
帰りのHRを終えて下校時間になったところで、またしても松下さんがうちの教室へやってきた。
当たり前のようにナツくんの席へ来て、話しかける。
彼女である私は、なかなかそれができずにいるのに…なんてまた、余計なこと考えて。
「今日これから買い出し行かないとだよ。
リストはさっきラインしたよね?
準備できたらすぐ行こう!遅くなっちゃうから」
しかも今から二人で何か買い出しに行くみたい。
委員の仕事だから仕方ないと分かっていても、すごくモヤモヤした。
二人きりで出かけるんだ…。
「…げっ、そうだっけ?
今日行くのかよ?」
「そうだよー!
もう、夏希くんはすぐ忘れるんだから〜」



