その名前を見てドキッとする。
あれ…?
ナツくん、いつの間にか松下さんとライン交換してたんだ。
ウソ…。なんかショック……。
「…げっ。また呼び出しかよ」
ナツくんはそのメッセージを読むと、ちょっとめんどくさそうに顔をしかめる。
だけどすぐに食べ終わったお昼ごはんのゴミを片付け始めて。
「ごめん。今からまたちょっと行かねぇと」
なんだかんだ言いながらも、委員の仕事は真面目にやってる彼。
こうしていつも二人きりの時間はすぐに終わってしまう。
私は内心寂しいなぁなんて思いつつも、それを口には出せなくて。
かわりに笑顔で返事をした。
「…そっか。大変だね。頑張ってね」
頑張ってるナツくんに負担をかけたくない。
寂しいなんて、私のわがままだから。
「あーだりぃ。昼飯くらいゆっくり食わせろっつーの」
持ち物をまとめてナツくんが立ち上がる。
私はその後ろをついて、教室のドアの前まで一緒に歩いて行った。



