だけど、噂というのはすぐに広まってしまうもので。



登校して数日で、私とナツくんが付き合い始めたということは、学年のほぼ全員に知れ渡ってしまった。



みんなが私を見てくる。


噂しているのが聞こえる。



そういえばナツくんってすごくモテるし有名人なんだってことを、あらためて実感する。



突き刺さる女子たちからの視線が痛かった。



「鈴菜もすっかり有名人だね~」



まつりんが冗談ぽくからかってくる。



どこを歩いてても、『ほら、あの子が夏希くんの彼女』って言われるから、身を隠せるものなら隠したい気分だった。



ハルくんと花鈴が付き合ったときは、みんな『やっぱりね』ってそんなに驚かなかったのに。



私がナツくんと付き合ったらこれだもの…。



ただでさえ双子同士で目立つのに、それに加えて女嫌いみたいに言われてたナツくんに彼女ができたわけだから、みんなの、特に女子たちの騒ぎっぷりがすごくて。



しかもその彼女が私みたいな地味なタイプだから、絶対みんな納得いかないと思ってるだろうな、なんて一人ですごく不安になっていた。