その言葉はなんだかとても共感できるというか、何かを言い当てられたかのように胸に響いた。



確かに…私は無意識に、花鈴に似ないように、かぶらないようにしてきた部分がある。



もしかしてそれは夏希くんも春輝くんに対してそうだったのかなって。


なんか仲間意識みたいなのを感じて。



不思議な気持ちになった。




「あーそんじゃ、ここで…」



そしていつの間にか駅に着いて、夏希くんはさしてた傘の水を払うとたたんで私に返してくれた。



「助かった。

それじゃ俺、下りだから」



「あ…うん。

どういたしまして…」



少し照れくさい気持ちで彼を見上げる。



すると彼は少しだけ口元を緩めて。



「…ありがとな、鈴菜」



そう言い残すと先に改札を抜けていった。