すると、夏希くんはなぜかまたクスッと笑う。 …あれ? そして私が差し出した傘の持ち手に手をかけ… 「お前やっぱアホだな」 「へっ…?」 「人に傘貸して自分は濡れて帰る奴がいるかよ」 あ… 「貸して」 「えっ?」 そう言って私から傘を取り上げる。 そしてすぐに私の頭と自分の頭が入るように傘をさしてくれた。 「…じゃあお言葉に甘えて。 俺も駅までだから」