部屋に入るとナツくんはキョロキョロと周りを見回していた。 今日のために綺麗に片付けたけど、なんか変なものとかないかな、大丈夫かな。 「本、いっぱいあんだな」 「う…うん。ごめんね、地味な部屋で」 「そうか?キレイじゃん。 鈴菜の部屋って感じ」 「そうかな…」 「なんか落ち着く」 そう言って微笑んでくれる。 その落ち着くって言葉がすごく嬉しかった。 ナツくんはベッドを背に、部屋の真ん中のテーブルの前に腰掛ける。 私は彼の好きなアイスコーヒーを用意してテーブルに置いた。 「ありがと」