……あれ?
やっぱり信じてない…?
だけどそれより何より、はじめて彼が笑ったことに私はびっくりだった。
いつもクールで無愛想なのに。
夏希くんもこんなふうに笑うんだ。
「あ…いや、お人好しとかじゃないです…。
ギブアンドテイクっていうか、困った時は助け合いってだけで…、」
「へーぇ、なるほどな。
今の見ててよーくわかったわ。
一卵性って便利なんだな」
「え…」
「まぁせいぜいバレないように気ぃつけろよ」
そして、そう言い残すと背を向けて去っていった。
「……」
なんだか足が動かない。
思いがけない展開に放心状態になってしまう。
だけど私は、はじめて私を私だと気付いてくれたことが、なんだか妙に嬉しかった。
夏希くんは、私たちを見分けられるのかな…?
そんな人初めて出会ったかも…。
ツインテールをほどいて、髪を元に戻す。
そして少しクセのついた髪を手ぐしでとかすと、カバンを持って私は下駄箱に向かった。



