先輩とはこうして本の話で盛り上がることがたびたびあって。
私にとっては数少ない話せる男の人の一人だったりして。
「やっぱ笹本の読んでる本俺の好みのやつ多いわ」
「そ、そうですか?」
「うん。よかったらまた貸してよ」
「あ、はい。いいですよ」
また貸して、なんて言われちゃった。
先輩は目を細めて優しく笑う。
「さんきゅ。それじゃまたな」
そして私の頭にぽん、と手を置くと廊下を歩いて戻っていった。
相変わらずすごい爽やかだなぁ…。
だけど一瞬振り返って、
「あ、そうだ!
挟んであるしおりもらってくれていいから!
見てね!」
「え?」



