うぅ…バカバカ。


歌に集中しなきゃ。


せっかくナツくんがオススメしてくれたのに…。



慌てて意識を曲に戻そうとする。



しかし次の瞬間、離したはずの右手が急に引き寄せられて。



…あれっ?



さりげなく、ナツくんの手に包み込まれた。



…どきん。



えっ?えっ?



何かの間違いかと思ってしまう。だって…


ナツくんが…私の手を…



握ってるんだもの……。



ど、どうしよう…。



ナツくんと手…繋いじゃった…!



突然の出来事にパニックになる。



ドキドキドキドキ…。



恥ずかしくて顔が上げられない。



どうして…?


どうしてこんなことになってるんだろう…。