ウソみたい…。
なんだかナツくんがヒーローみたいに見えて。
思わずいろんな感情がこみ上げて、泣きそうになった。
ナツくんがまた、私を助けてくれた。
どうしていつも彼は私が困ってると現れるんだろう。
どうして私のためにそこまでしてくれるんだろう。
優しすぎるよ…。
「あー?
ったく意味わかんね〜。
もう勝手にやってろ!」
そしたら速水くんは呆れたように手を挙げ、チッと舌打ちをかますと、スタスタとその場を去っていった。
残された私とナツくんは廊下に二人きり…。
私は怖かったのとホッとしたのですぐに言葉が出ない。
すると、
「…アホ、なにやってんだよ」



