…え?ウソ…。
まるで子供みたいに、私に拭いて、なんて言う。
「…えっ!あの……っ、
あ…うん!」
私はいきなりのことで少し戸惑ってしまい、恥ずかしかったけれど、とりあえず言われた通り手を拭いてあげた。
ナツくんの手はゴツゴツと骨張っていて大きくて、なんだかドキドキする。
男の子の手って感じ…。
だけど一生懸命拭いてたら、
「…ぷっ、」
なぜか急に笑い出すナツくん。
「…えっ?えっ?どうしたの?」
何かと思って聞き返すと、
「いや…マジで拭いてくれんだと思って」
「え…」
「冗談だったのに」
う、ウソ…!
なに今の、冗談だったの?



