《咲樹side》

「好きです。
付き合ってください。」

俺が中庭で昼寝してると毎日のように聞こえてくる男子の声。

相手は声を聞かなくても分かる。

「ごめんなさい。
今は誰とも付き合う気ないの。」

俺の幼馴染みの神野々皐月だ。

モデルの様なスタイルと風になびく少しテンパが入った焦げ茶色の長い髪。

思わず二度見したくなるほどの綺麗な顔立ち。

そんな皐月は性格もいい。

だれにでも優しくて明るく接する。

だからモテるんだろーな。

だが、この告白を全て断る皐月。

それにはちゃんと理由があることを俺は知ってる。

どうしてもあいつじゃなきゃダメなのか?

俺じゃダメなのか?

俺は今日もまた今どこにいるかわからねぇ奴に嫉妬してる。

《咲樹side end》